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晩夏の海月
時折半透明になりながら、ぽちぽち物書きしています。
即興SS:冷たい手
ツイッターのタグのお題(?)で、即興SSです。

え、SSって、しょーとすとーりーの略ですよね(?_?)
ggrksと同居人にリアルでよく言われる伴です。⊂彡☆))Д´)パーン

制作時間は40分ぐらいだと思います。
ほんとに即興なので全然推敲とかしていなかったりですが・・・;
よろしければ下記からどうぞ。
冷たい手


このごろ、よく、白昼夢をみる。


携帯電話で使っている、SNSのアプリケーションは、水色を基調とした画面の色。
そこから、半透明で少しだけ水色の、人の手の形をしたなにかがぬるりと出てくる。
その手は午後三時、眠るでもなくベッドにうつ伏している私の、左側の胸に向かって伸びる。
ずぶり、とニットの胸元を貫いて、冷たい手が心臓を掴む。
そのまま、掴みだされる私の心臓。
ずるりと心を抜き取られて、私は夢を見る前より、より空虚になって起き上がる。

そんな夢を、何度もみていた。


SNSの中で、誰かが私に話し掛けていた気がした。
けれど、それも白昼夢。
そこには、誰もいない。

髪の毛が乱れている。
髪だけは綺麗、といつも皆から言われるのに。
いつも、とはいつなのか。
皆、とは誰なのか。
正直なところ、よくわからない。
わからない程度には、きっと今、私は寝惚けている。

「私のこと好きな人」を、探している。
「私のこと好きな人」といえば、誰かが「好きだよ」と返してくれる。
その誰かが誰なのか、やはり私は、正直なところ、よくわからない。
でも、それは、薬。痛いところが、少し和らぐ。
でも、効力はすぐに消える。
本当に治療しなければならない部分のではなくて、対症療法だから。


肩が寒い、ような気がして、毛布を引き寄せた。
ヒーターをつけるのも億劫で、毛布は冷たいまま。
胃のあたりだけが熱をもって、それで、生きていると思った。
家の中は静かだった。
誰もいない、のか、誰かいるけど静か、なのか、確かめるのも億劫で。
目を閉じた。


SNSの水色の画面から、また、半透明の手が伸びた。
それは、私の胸元に。
セーターと乳首と脂肪の塊と骨とを突き抜けて、左側の中。
ずるずると、ぐちゃぐちゃと、かき回される感触がした。
何度も、何度も。
手は、見つけられない。
そこには何もなく、冷たい手は、ただ、空洞をかき回し探るのみ。
やがて引き抜かれた手、それすらも、私を見限った。


目をあけた。血塗れの手も、探せなかった心臓も何もなく、ただ、頬が濡れた。
指先が悴んで、タッチスクリーンが反応しない。
部屋に、冬の夕方の、西からの陽が入っていた。


〈了〉
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

[2013/02/19 22:19] | 小説 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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