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晩夏の海月
時折半透明になりながら、ぽちぽち物書きしています。
本の感想:『One Day Passport』
読んだ本の感想を書こう書こうと思い続けてなかなか書けておりませんでした。
ブログ記事が連投になりますが、すみません。
骨組段階・氷梨えりかさんと弊社紺堂の共著『One Day Passport』の感想です。
ネタバレ的なものはないと思いますが、一応、追記から。
『One Day Passport』(紺堂カヤ・氷梨えりか/著)

「遊園地の一日」をテーマにしたアンソロジー作品。朝、昼、夕方、夜の四つの物語から構成されています。

「朝」の物語は、氷梨えりか作「ハートビートスワンボート」。複雑な家庭環境で自分の感情を押し殺してしまう少年ですが、親戚のお兄さんお姉さんと一緒に遊園地を訪れ、スワンボートの中で少しずつ気持ちがほぐれていきます。遊園地という”皆が屈託なく楽しむ場所”で自分だけ寂しさを抱えてしまう孤独感のようなものがグッとくる、えりかさんの感情描写が際立つ作品でした。

「昼」の物語は、紺堂カヤ作「素晴らしいお仕事」。遊園地の売店でバイトする女の子が出会う、ちょっとした(?)不思議体験のお話。個人的にですが、紺堂の「お仕事小説」はかなり強いのではないかと思います。きれいごとでもお涙頂戴でもスパルタでもないけど、あぁ働くってこういうことやなぁと思わせてくれる感じです。さりげなく描かれる日常とファンタジーの境目も見事でした。

「夕方」の物語は、氷梨えりか作「レフトーバージェットコースター」。友達は恋をしているけど、自分はちょっと奥手な女の子のラブ未満ラブコメテイストな物語。ある意味ド直球ストレートなストーリーなのですが、ありきたりにならずに読ませるえりかさんの筆力が流石。久しぶりに甘酸っぱい気持ちになりました。

「夜」の物語は紺堂カヤ作「私のエリー」。主人公はメリーゴーラウンドのうちの一頭(?)エリザベス。毎夜訪れる、彼女を「エリー」と呼ぶ女性との邂逅を楽しみにしています。大人になるとは、前に進むとは、生きていくとはどういうことか・・・。日が落ち閉園時刻に近づいていく遊園地の風景と、「エリー」に会いに来る女性の葛藤が相俟って胸が苦しい、ラストに相応しい一篇でした。

一篇ずつのお話それぞれのタイトルは勿論、構成や表紙のデザインなど一冊の本としてもとてもまとまっていて面白かったです!半分身内ですが、長々と書いてしまってすみません。
文フリ東京で頒布ありますので、気になられた方はぜひお手に取ってご覧くださいませ^^*
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テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

[2018/05/03 20:56] | 読書の話 | コメント(0) |
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