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晩夏の海月
時折半透明になりながら、ぽちぽち物書きしています。
本の感想:『箱の中でわたしは』『VERY BEST OF ANXIETY NEUROSIS BAND』
遅くなってしまいましたが、文フリ京都、ありがとうございました。
ずっとお会いしたかった方に会えたりして、貴重な一日でした。小説もお手に取っていただき、感謝しきりです。

さて、マツさん作『箱の中でわたしは』『VERY BEST OF ANXIETY NEUROSIS BAND』がとても良かったので、感想を書きます。
(あくまで個人的な感想で、きちんとしたご著書の紹介とかではないです。すみません・・・。)
ネタバレは無いとは思うのですが、一部本文の引用などさせていただいたもので、追記に記します。
『箱の中でわたしは』
 8つの掌編からなる作品。元は別々にブログに綴られたものなのですが、一冊になってみると衝撃的なほど、”箱の中”という一貫したテーマのもとに集結しているように感じられました。マツさんの小説は、いろいろな物語があるのですが、寂しくて孤独で、あきらめていて、でも生々しく人間、というか人生の匂いがするところがとても好きです。うまく言葉に表せない閉塞感のようなものがひしひしと感じられ、読んでいる間断続的に動悸がしていました。この本を何も思わずに「ふ〜ん」とかって読み終えれる人をわたしは心底羨ましいし、心底、そうでなくて良かったとも思います。
 私がいっとう好きなのは、以下の一節。
「わたしは、ときどき自分が、箱の中に住まわされているような気がする。その箱の中にいるかぎり、同じことが繰り返される。誰かを好きになったり嫌いになったりするのは、わたしの意思でそうなるのではなくて、この箱の中にいるせいなのだ、きっと。」(「箱の中でわたしは」より)

『VERY BEST OF ANXIETY NEUROSIS BAND』
 "伝説になりそこなったスリーピースバンド"、アングザイエティ・ニューロシス・バンドの幻のベスト盤、というコンセプトの歌集。この本はイベントで購入するのを本当に楽しみにしていたのですが(『箱の中で~』もですが)、もう期待以上といったら偉そうなんですけど、これはすごい本だーーー!!!とエクスクラメーションマークが飛びました。これも元はバラバラに詠まれた短歌なのに、バンドの歴史をたどるという設定のもとで構成されるとものすごくコンセプチュアルでドラマチック。途中途中に挟まれた、バンドに寄せるというていで寄稿されたコメントも全部素晴らしくて、このバンドはもう半分ぐらいは本気で実在すると思っています。装丁も中のデザインもとても素敵で、なんというか、編集の力、ものづくりの力、仕事人的な力をとても感じました。これが大人というものか。。。それなら私も大人になりたいです。(年齢は無視してくださいね・・・。)
 好きな短歌はたくさんあるのですが、中でも特別に好きなものをみっつだけ引用させていただきます。
 「べりべりとコアラを剥がす音がしてユーカリの木はやや軽くなる」
 「いいほうを選んだはずだでも星は選ばなかった空で輝く」
 「人間が求めることはただひとつ私はここにいるよ見つけて」
ちなみにANXIETY NEUROSIS BAND、勝手にANBと略して呼んでいたのですが、界隈ではアングと略す方が多いようです。
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テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

[2018/01/30 23:12] | 読書の話 | コメント(0) |
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