晩夏の海月
時折半透明になりながら、ぽちぽち物書きしています。
本の感想:『ここから出して神様』
マツさんのサークル「アイスコーヒー」発行の『ここから出して神様-出口をめぐる9人の試み-』の感想です。
しばらく前に読んでいて、感想を書こうと思いながら遅くなってしまいました。
長くはなりませんが追記からどうぞ。

赤井ヨアケさん「入口」
 5ページの短い漫画の中にたくさんのたくさんのいろいろなものが見えてしまって、一気に本に引き込まれます。
絵を描くのが好きな男の子と、不登校の女の子の孤独な2人の魂の邂逅。
ふたりが無事に大人になって生きていけますように。

ぱぴこさん「病院が嫌いなのに、病院の領収書がたくさんある話」「買い物ができなかった話」
 ぱぴこさんのエッセイは温度が低くて、さみしさや不安がひしひしと伝わってくる感じがしてとても好きです。
個人的に、読んでいると「私もそう思う」という共感のさみしさだけでなく、「こんなかたちの不安もあるのだ」と気づきながら不安になる というところがすごい文才だなと思います。

マツさん「リバース」
 別れたかった女と、別れたくなかった男の、鬼気迫るサスペンス掌編。
短い中でゾクッとする感じが表れていて、同一のキーワードをうまく使われているのがよかったです。
マツさんの作品はふだんウェブで拝読しているのですが、紙媒体だからこその最後のページに、やっぱり本を買ってよかったなあと思いました。

サカキバラチヒロさん「Untitled」
 モノクロ写真作品。掲載された6枚が絶妙なバランスでよかったです。
一番好きなのは、最後の海の写真。一番意味深だなと思ったのは、タコヤキの写真です。

手塚都さん「明日へ遡る」
 詩にあまり縁のない人生を送ってきたのですが、珍しく「これ好きだなあ」と思った詩でした。
夜の街をずっと歩いていくイメージ。

赤木瞳さん「マーブルに隠された、」
 ごはんを食べても吐いてしまう女の子の話。終盤に向けてどんどん不思議な話になり、タイトルのとおり、世界がマーブルになっていく感じがしました。
ホラーっぽいけど、怖さより寂しさを感じる一遍。

ひらやまやすしさん「くもとあめ」
 しっとりした歌詞なんだけど、希望を感じる。最後が「笑った」で終わるところがいい。
Youtubeで見ました。アニキかっこいい。

柴田さやかさん「ポイント/ルート」
 大学受験を控えた女の子たちのいろいろ。高校3年生のときの切羽詰まった感じが思い出されてとてもよかった。
キリキリしてたなあ、あのころ。若かった。

ハリさん「おまえはもうさがってよい」 
 短歌。全部よかった。わしづかみにされる感じがある。天才的な感受性だと思う。
「風に髪ばーっとさせて」がわかりすぎて、ああ同じ母から生まれてるなあ、と思いました。


(マツさん、感想を書く書くと言い続けていたのに、ごく簡単ですみません!)
とても素敵なアンソロジーでした。
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[2017/07/01 21:03] | 読書の話 | コメント(0) |
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